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2012年6月20日水曜日

謹製 カリンバの解説

我と来て 遊べや彼氏のない彼女  (痴楽)

わっ、ははは。えー、冒頭からの大笑いであります。上のは、もちろん、あたしの作ではありません。とある昔の落語家のであります。その名は、柳亭痴楽。彼はお世辞にも名人ではありませんでしたが、独自の型といいますか、噺に形式があって、どちらかというと今の「若手芸人」に近い軽いお笑い系でして、まあ、良くて「軽妙」、悪くて「形式的」といわれる芸風でありました。
でも、何度も聞いているうちに、不思議に聞き手に風格みたいなものを感じさせてしまうのは、今の芸人ブームにはない魅力でした。

型の魔力とでもいいましょうか。型は大切であります。馬鹿といわれてホメ言葉として受け取り、スケベといわれて精力的と喜べる人間力がなくてはなりません。

そこで不肖、八重桜もカリンバに型をもつことにしたのでした。苦節数ヶ月、ひとつの型に到達したのであります。涙、感涙、うれし涙の水の音。この日のために、数知れぬ研鑽を重ねて、きれいなお姉ちゃんたちから冷たい視線を浴びせられても、なにくそと精進してきました、、、、、というのは、赤い真紅のくれないのおサルお尻はまっかか、というくらいの大嘘であります。わっ、ははは。お楽しみに苦労はないのであります。酔いかげん、いきあたりばったり、偶然が素晴らしい形を生みだしました。

パンパカ、パーン。発表します。
八重桜のカリンバは「タイコ・カリンバ」であります。カリンバを十数個つくってみて、この型に結晶しました。そして、いま日本のカリンバ界に独自の輝きを放つプロ奏者、Sage氏の愛用楽器となる栄誉を得て、ここに八重桜のもてる技術と経験を結集した最新鋭器二種を、下の写真でご覧いただいたのでした。このうちの一台が氏の愛器となる予定です。

では、八重桜のタイコ・カリンバは、どこがいいのか、といいますと、第一に「音の振るえが違う」のであります。タイコの名のとおり、わかりやすくはジャンベを思い出してください。ジャンベでは中心と端とでは音質が変わりますね。それと同じく、このカリンバは端の弁では板をたたくような音がして、中央では中国の胡弓かと思うほどの揺れる音がするのであります。これを利用して、高音部で乾いたリード音を、低音部で濡れたベース音を、というような奏法も可能です。

プロとはいえこんな名器がもらえるなんて「ええい、もってけ!  どろぼう」なんでありますが、実は氏には長年培った複雑な工程をへて初めてできる見事な弁がありまして、この提供を受けて二台つくり、一台を選んでもらったあとに残りはあたしがもらうという魂胆なのでありました。わっ、ははは。「世の中、ただ動くのは地震だけ」というのは八重桜家の家訓であります。さらに、あわよくばステージなんかで使ってもらい「いい音じゃないか、おれも作ろう」なんていう物好きな方がひとりでも増えて、この知名度の低い楽器のイメージアップに貢献したいという野望も、ちょっとだけあるかもしれないな、ということを密かにお伝えして、ここにご参集いただきました善男賢女のみなさまに本日の解説の締めとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

わっ、はははは。
まあ、そのうちに音ものせますので。一見より百聞で、ね。

2012年6月19日火曜日

謹製 カリンバ二種

弁(鉄弦)をのせる枕と駒を曲線にしてみました。後ろのタイコにはこれから接着します。
枕と駒を平行にしてホールに蓋をつけて内圧をベント。タイコの震えをコントロールできます。実は上のとは厚みが異なります。どちらがタイコのふるえにおもしろい効果があるかはこれからというところ(笑)